暖かくなってくると気になるのが「フィラリア」と呼ばれている病気ではないでしょうか。僕たち犬は暖かい時期、だいたい5月ごろから11月くらいまでの半年間はこのフィラリアに注意する必要があります。
僕のご主人は僕を飼う前までは「フィラリア」という言葉すら知らず、僕を迎えてから2回めの予防接種を受けた7月ごろに病院の先生に「フィラリアの感染予防はされていますか?」と聞かれて初めて知ったようです。
ここでは毎年注意しているフィラリアについて調べてみたことを書いてみますので、もしまだご存じなかったりそこまで詳しく知らないという方はぜひご覧ください!
フィラリアとは
まずは「フィラリア」と呼ばれているものについてです。
フィラリアとは虫さんの種類で、日本語で書くと「犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)」という名前です。その名の通り、フィラリアの成虫は細長くて糸(いと)のような大体30cmにもなる見た目です。
この虫さんが体に入ってしまうと起こるいろんな症状をまとめて「フィラリア症」日本語では「犬糸状虫症」と呼んでいます。
フィラリアは主に暖かい時期などに飛んでいる蚊さんが広めてしまう病気で、すでにフィラリアに感染している犬さんの血を蚊さんが吸って、別の犬さんを刺すことでその犬さんも感染してしまいます。
人間に感染する「リンパ系フィラリア」とは別の種類
フィラリアについて調べていると、僕たち犬のフィラリアの他にも人間さんが感染する「リンパ系フィラリア」というものがあることがわかりました。
犬さんのフィラリアと人間さんのリンパ系フィラリアは別の種類の病気です。ただし同じ「蚊」さんが広めてしまう病気みたいです。
犬さんが感染するフィラリアは人間さんには感染することがなく、人間さんのリンパ系フィラリアは他の人間さんに感染する病気です。
リンパ系フィラリアは主に熱帯の暖かい国で広がりやすい病気で、それが直接の原因になって死んでしまうことはないようですが、感染すると免疫力が弱くなってしまったり、体の一部が異常に腫れてしまうなど、かなり苦しい病気みたいです。
何にしても単純に「蚊に刺される」ということが意外と大きな病気に繋がるかもしれないのはちょっと怖いですね。
フィラリアに感染する経路
フィラリアに感染する経路としては、先に書いたようにすでに感染している犬さんの血を吸った蚊さんに刺されることで感染することが大半です。
蚊さんがフィラリアに感染している犬さんの血を吸うと、蚊さんの体の中に「ミクロフィラリア」というものが入り込んで蚊さんの体の中にフィラリアが居座ります。そのまま他の元気な犬さんを蚊さんが刺すとミクロフィラリアが元気な犬さんの血管に入り込んでいく仕組みになっています。
フィラリアは犬の病気のイメージが強いですが、猫さんやキツネさん、タヌキさんなどの動物も感染します。人間さんの場合は感染することはあっても一般的にはあまり重症化はしないみたいです。なので単純に犬さんだけ予防をしていても、もしかすると他の動物さんから感染するかもしれないので怖いですよね。
蚊さんってかなり小さいし吸う血の量も少しだけなのに、ましてや血を「吸っている」はずなのに、なんで血管にフィラリアが入り込むのか、いろいろ不思議なことが起こっていますね…!
フィラリアに感染するとどうなるか
犬さんがフィラリアに感染してしまうと次のような症状がみられるようになります。
状態の具合 | 症状 |
軽症と言える状態 | 咳が出る |
危険な状態 | 貧血になる |
毛艶がなくなる | |
運動を嫌がる | |
苦しそうに呼吸をする | |
運動により気絶する | |
命に危険が及ぶ状態 | 腹水貯留 |
心肥大 | |
栓塞 | |
皮下浮腫 |
症状が軽い段階では咳をする程度です。症状が進むと、貧血になったり毛並みがゴワゴワと悪くなってしまったり、動くことを嫌がったりするようになります。
さらに進むと呼吸が辛くなったり、運動をしすると気を失ってしまうなど、明らかに体調が悪そうになってしまいます…!
そのままひどくなってしまうと…
- 腹水貯留…お腹の中に水が溜まってしまう
- 心肥大…心臓の筋肉が膨れてしまう
- 栓塞…血管が詰まってしまう
- 皮下浮腫…皮膚の内側に水が溜まりむくんだ状態になる
…など、体の中でいろいろな症状が進行してしまいます!
他にも体内の臓器に血が停滞してしまいうっ血するなど、主に体の循環器と呼ばれるところに障害が見られるようになり、そのまま死に至ります。
なので、まずは空咳をするようになったらフィラリアの感染を疑って一度お医者さんに診てもらうのが、その後の深刻な症状への進行を防ぐためにも大切なことです。普段から犬さんの様子を見ていれば「なんか体調が悪そうだぞ」と気が付きやすくなるのと、もし体調を悪そうにしていても何か原因がわかるかもしれないので、気に留めておいてあげてくださいね。
フィラリアの感染が疑わしい場合はまず病院へ
先ほど書いたようにもし犬さんが咳をしていたり、体の動きが遅かったり、あまり動かなくなったりしたらフィラリアの感染も含め、何かしら体調が悪くなっている証拠です。
これはフィラリア以外の病気も含め、大きな病気の前症状とも考えられるので、一度病院で診てもらう必要があります。「ただの風邪だろう」と思ったとしても、お医者さんに診てもらうことで未然に大きな病気を防ぐことができますからね。
特に、気温や身の回りの環境に変化が無かったり風邪をひくような寒さや乾燥でもない時期だった場合は、フィラリアや他の感染症の疑いが強いです。
フィラリアなどの感染が疑われる場合は、犬さんの血を少し採って血液検査をすることが多く、それによって血の中にミクロフィラリアや他の寄生虫の子供、もしくはフィラリアから体を守ろうとしている抗体が出ているか、お医者さんに確認してもらいます。
血液検査の費用は病院にもよるみたいですが、相場としては2,000円前後のようです。
また、心臓をエコー検査することでフィラリアを見つけることができることもあります。
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フィラリアの治療法
もし血液検査でフィラリアの感染が分かったら、すぐに治療を始めましょう!
薬の投与を続ける長期治療
軽度の症状でフィラリアが大きくなる前だったり、数が増えていない程度であれば、予防と同じように予防薬を毎月1回ペースで食べ続けて、すでに犬さんの体内に入ってしまったフィラリアの寿命を待つ方法があります。
ただ、フィラリアの寿命が5年くらいあるので、その間は薬を飲み続ける必要があって、万が一フィラリアが死んでもそのままキレイに犬さんの体から出てくるか分からないので、定期的に検査を受けるのと、辛抱強さが必要になります。
ボルバキア治療
ボルバキアというフィラリアの体の中で生きる「菌」に働きかけてフィラリアの活動を抑制しつつ、先に書いた長期治療のように薬の投与を続けることで、フィラリアの寿命や増えてしまうのを抑えて治療の期間を短くする方法もあるみたいです。
フィラリアが増えなくなったり活動が抑えられることで治療の期間が短くなるみたいですが、これもフィラリアが犬さんの体から出るかはわからないですね…。
外科治療
これはすでに犬さんの体の中でフィラリアが大きくなっていたり増えてしまっていると、薬ではどうしようもないので、心臓や肺といった臓器を切り開いてフィラリアを一匹ずつ取る手術のことを言います。
身体を切って手術を行うので、犬さんにとってはかなり厳しい治療になります。場合によっては体力が持たないで手術中や手術後に亡くなってしまうこともあるみたいです。
絶対‼フィラリアは予防が大切!
フィラリアの怖さは何となくわかっていただけたかなと思います。
フィラリアは蚊さんが感染の原因になるため、外で飼われている犬さんがもし予防をしていない場合は、なんと90%以上の確率で感染しているみたいです…!確かに外飼いが多かった時代の犬さんの平均寿命が短いですからね。
また、例え室内で飼っていても予防をしていない犬さんだと今でも20%以上がフィラリアに感染しているみたいなので怖いですよね…。
参考:ぽちたま薬局「犬猫がフィラリアに感染する確率はどれぐらい?」
フィラリアに感染してしまうと犬さんに辛い思いをさせるだけでなく命への危険すらあります。また、治療の費用が大きくもなるので「予防をしない手はない」と言えます。
フィラリアは予防さえしておけば感染を防ぐ、もしくは感染をしてしまっても早期治療が可能なので必ず予防はしましょう。
フィラリア感染予防の薬
フィラリア感染を予防する薬にはいろんなタイプがあります。
僕は毎年4月になると狂犬病予防注射を打つタイミングでフィラリアの血液検査もしてもらい、その場でフィラリアのお薬も買ってもらっています。
いつも買ってもらっているフィラリアのお薬は、チュアブルタイプの「ネクスガード スペクトラ」というもので、一度に半年分(6粒)を買っているみたいです。
お薬の半年分(6粒)の価格としては、犬さんの体重によって変わります。僕の体重は10キロでなので「中型犬」のお薬を買っていて、半年分で17,000円くらいです。値段はお薬の種類、タイプや形状で変わると思いますが相場としては2万円しないくらいで半年分は買えそうです。
ネクスガードスペクトラは、海外からの輸入という形でインターネットで購入することができるサイトもあるので、常備しておきたかったり、まとめ買いをしたい場合はこちらのほうがお手軽です。
お薬の飲み方としては、月に1度、日付を決めてご飯にこっそり混ぜて食べさせてもらっています。…よくお薬だけお皿に残していますが、そうするとおやつと混ぜたり細かくしたりと、何とかして食べさせようとご主人が工夫してくれます。
同じ柴犬さんでもちゃんとお薬をきれいに食べれる子もいるみたいなので、ご主人的にはどうにかして僕にも素直に食べてもらいたいみたいです…!
▼フィラリアのお薬の種類
タイプ | 形状 |
飲むタイプ | 錠剤 |
食べるタイプ | チュアブル |
顆粒 | |
滴下タイプ | スポット |
注射タイプ | 注射 |
フィラリアのお薬は主成分として「イベルメクチン」や「ミルベマイシン」といったものが入っています。お医者さんによって扱っている種類が違っていたり、犬さんによってはどのタイプのお薬が合っているなどあると思うので、どのお薬にするかはお医者さんに相談してくださいね。
一度だけ僕はスポットタイプ(首の後ろに垂らすタイプ)のお薬を使ったことがありますが、体に合わなかったらしくてその日はぐったりと寝込んでしまったこともあります。
基本的に「駆虫薬」なので刺激が強いものが多いため、用法や用量はしっかり守る必要がありますね!
参考:犬糸状虫および犬糸状虫症に関する犬の飼い主の知識と意識(PDF)
「ペットくすり」さんでは先に紹介したネクスガードスペクトラ以外にもいろんなフィラリアのお薬、また他の病気や疾患のお薬やサプリメントなどの扱っているので、一度確認してみてもいいかなと思います!ネクスガードスペクトラよりもお手頃価格なフィラリアのお薬もありました。
フィラリアに関して調べた内容のまとめ
フィラリアについて調べてみた感想としては「怖い!!」ですね。もしかしたらこの記事に貼っているそれぞれのリンクをご覧になった方で気分が悪くなってしまった方もいるかもしれないです…。
フィラリアは蚊さんが広めるので高い確率で感染をしてしまうこと、咳をし始めたらフィラリアに感染した疑いもあるのですぐにお医者さんに診てもらうこと、感染していると治療にはかなりの時間や体力、費用がかかること、予防が効果的かつ有用なので予防をしない手はない!ということ。
とにかくフィラリアは「予防必須!」ですね。予防を怠ることで余計な心配や身の危険、不要な出費が増えるのが一番怖いです。
予防すれば安心なのはわかり切ったことなので、僕もお薬を残さないでしっかりフィラリアの予防していきたいと思います!
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