毎日のお散歩で行っている「クン活」。僕たち犬の世界ではクン活は欠かせないものとなっています。
先日、お友達がゴーグルをつけていたのでお話を聞いてみたら、「クン活で茂みに顔を突っ込んだのが原因か虫が目に着いた」と聞いてびっくり!しばらくはいじらないようにゴーグルをつけているとのことでした。
何気なくクン活をしていますがそんな怖いことがあるなんて思いませんでした…。
それをきっかけに犬のクン活は本当に欠かすことができないことなのか、ちょっと気になったのでいろいろ調べてみました!
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「クン活」とは
僕のような柴犬などの犬がお散歩中に、道にある草や壁、柱などの匂いを夢中になって「クンクン…」と嗅ぐことを「クン活」と呼んでいるようです。僕からするとご主人はじめ人間さんが夢中になって何かを見ながら歩いている様子と同じような感じですね。
もしかしたら僕は他の犬さんよりもクン活の時間が多いほうかもしれません。ご主人もあまり止めたりしないのでめいいっぱいクン活しています。
クン活はほぼ一年中、季節を問わず行っています。特に激しいのは外出してすぐとか初めて行った場所に降り立った時で、その時はひたすらクン活をしてしまいます。
なぜ犬はクン活をするの?
始めに、なぜ僕たち犬はクン活をするのかその理由を調べてみました。
クン活をする理由として大まかに言えるのは「情報を集めるため」ですね。匂いを嗅ぐことは嗅覚を使って何かの情報を受け取る行動なので、クン活をすることでいろんな情報がどんどん頭に入ってきています!
匂いを嗅いでいるので情報を集められるのは当然として、ではなぜ情報集めに夢中になるのでしょうか。
…これは人間さんでも同じような疑問が当てはまりそうですね!
匂いを嗅ぐことの意味
僕たち犬だけでなく人間さんも猫さんも、なんとお魚さんや虫さんも匂いを嗅いでいるみたいです!普段から身の回りの匂いを感じているだけでなく、クン活と同じように匂いを追い求めていくこともあったりと、匂いを嗅ぐことは生きているみんなにとってとても大事なことなんですね。
昔からいろんな生物が匂いによって自分の身に迫る危険を察知したり、相手の匂いを嗅いで自分の仲間かどうかを知るために使ったり、縄張りを知らせるために自分の匂いを周辺に着けて回ったり、いろんなシーンで匂いを使っています。
匂いを嗅ぐことで「安心できる場所か」「危ないものではないか」など生きていくための大事な判断ができるみたいですね。
匂いから読み取ることができる情報をもとに自分の安全を保っているので「クン活」が大事なのかもしれません。
匂いの仕組み
クン活をして匂いが鼻に入ると、匂いの元が鼻の奥で電気信号に変わり、信号が脳にダイレクトに届く仕組みになっているみたいです。しかも匂いが電気信号になるところが脳の中でも記憶や感情をコントロールするところに近いため、それはもう興奮せざるを得ませんよね!
犬さんも人間さんも、他の哺乳類動物さんも匂いを嗅いで脳への信号を送る流れ自体は似たような感じみたいですが、電気信号に変えるところの量がそれぞれの動物さんで違うため、匂いから受け取ることができる信号の量も変わってきます。
僕が生まれるずっとずっと前からの先輩方の経験で積み上げてきた「この匂いがしたら逃げた方がいい!」とか「この匂いは仲間だな」という情報と、クン活で受け取る匂いの信号を照らし合わせて生きることに役立ててるということですね。
匂いが電気信号になるところが脳の記憶や感情をコントロールするところに近いことで、何か察知したらすぐに動けるようになっているみたいです。
参考:環境省「感覚への影響(嗅覚)」
クン活はSNSみたいなもの
人間さんはSNSを見てる人が多いと思います。これも情報収集に夢中になっているという点からすると僕のクン活と同じ行動だと言えますね。
僕の場合は「いいね!」の代わりにマーキング(オシッコ)をしている、とご主人は考えているみたいです…!オスの犬さんだとお散歩中のクン活からマーキングはよくあることではないでしょうか(ご主人が水をかけて流してしまいますが)。
僕たち犬も人間さんのお陰で昔ほど危険な目にあったり常に獲物を探す必要もなかったり体に悪いものを食べたりする必要がなくなったので、もしかするとそのうちSNSみたいな使い方以外でクン活をする必要がなくなるかもしれませんね。
犬の嗅覚に関して
人間さんが目で見る情報とそこから想像できることを大事にしているのと同じように、僕たち柴犬は匂いから読み取れる情報を大事にしています。
人間さんが大事にしている目で見る情報に関しては、僕たち犬は人間さんほどはっきりキレイに色鮮やかに見える仕組みを持っていません。
反対に、僕たち犬は人間さんと比べて匂いを電気信号に変える場所を多く持っているので、匂いを嗅ぐことで読み取れる情報の量が人間さんよりも多いです。
ちなみに「匂いを電気信号に変える場所」のことを「嗅覚受容体(きゅうかくじゅようたい)」と言うらしく、人間さんや僕たち犬などの哺乳類とお魚さんたちは鼻の奥に、虫さんたちなら触覚についているみたいです。
人間さんの嗅覚受容体の数が約400個あるのに対して、僕たち犬は約800個もあります!
牛さんの嗅覚受容体は約1,200個、象さんになると約2,000個もあるので、お鼻の大きさに比例しているのかな?と思いますが、ネズミさんも約1,000個以上あるみたいなので一概にそうとも言えませんね。
参考:東京大学大学院農学生命科学研究科「嗅覚の匂い受容メカニズム」
何にしても、僕たち犬は人間さんよりも匂いの情報をたくさん受け取っているので目で見るよりもクン活をしているときのほうがいろいろ刺激のある時間を過ごすことができています。
クン活をするタイミング
僕がクン活をするタイミングは主にお散歩のときです。他も含めてクン活をしがちな状況を細かく分けてみると次のようになりました。
- 道端の茂み
- 芝生や地面
- 他の犬さんにあったとき
- 猫やタヌキなど動物を見つけたとき
- 家の壁、床
道端の茂み
これが一番多いクン活のタイミングですね。お散歩中の道の脇に生えている街路樹や生垣、壁や側溝から生えている雑草などいろいろあります。こういった場所のクン活のはしごをしながらお散歩をしているといっても過言ではないですね。
おそらく他の犬さんのマーキングの匂いが残っているんだと思いますが、このクン活は僕のようなオスの犬であればなおさら多いのかもしれません。
芝生や地面
広い公園などでは特に茂みになっていない普通の芝生でもよくクン活をしています。見た目ではわからない何か、もしくは誰かの匂いが残っているんだと思います。
もしかしたら僕が来る前に誰かお友達が遊んでいたのかもしれませんね。
他の犬に会ったとき
お散歩中やドッグランでお友達に会ったときにもクン活をします。いわゆる「ご挨拶」です。お互いに匂いを嗅ぐことで自己紹介のような形になりますが、僕は嗅いでもらうよりも自分が嗅ぐほうが多いです。
ほんの数秒のクン活で相性がわかり、そのまま遊べる子もいれば、急に険悪なムードになって「ウ~ッ…」となる子もいます。匂いで仲良くできるかどうかが分かるなんて人間さんにとっては不思議なことでしょうね。
僕はオスで虚勢もしていないこともあり、3歳になった最近は男の子とは仲良くすることが難しくなっているのがご主人の悩みの一つみたいです…。
猫やタヌキなど動物を見つけたとき
お散歩中に猫さんやタヌキさんと遭遇するとまずは追いかけようとします!もちろん、ご主人がリードを引いているので追いかけることができませんが、見えなくなっても猫さんやタヌキさんのいた場所をしばらくクン活しています。
例え捕まえることができたとしても何があるわけでもないし、匂いを嗅いでも何も得るものはないと思いますが、これは本能的に追いかけたくなっているだけでしょうかね…?
家の壁、床
たまにお家の中でも壁や床をクン活することがあります。たいていは何かの拍子に虫さんが家に入ってしまったときで、部屋の中で羽音が聞こえたり虫さんが壁をお散歩していたりすると、それを見つけた僕が追いかけるために壁や床をクン活していますね。
そんな様子を見かけたご主人が、虫さんを捕まえてお外に逃がしてくれています。
クン活をするときに気を付けていること
いろんなタイミングでクン活をしている僕なので、ご主人的にも一応気を付けてくれていることがあるみたいなので挙げてみますね。
- 舐めさせない
- 夢中になり過ぎない
- 危険な場所を避ける
舐めさせない
お散歩中、街路樹や雑草の茂みをクン活しているとき、たまに「ペロッ」と舐めてしまっているようです。誰かのマーキングの後なのかもしれませんが、舐めるのはさすがに汚いので舐めそうになったらご主人はリードを引いてくれています。何がついているか分かりませんからね!
夢中になり過ぎない
クン活に夢中になり過ぎると単純にお散歩が全然進まないだけでなく、先に書いたように舐めてしまったり、またエノコログサやメヒシバなどイネ科の雑草の実を鼻で吸い込んでしまったりもするので、ある程度クン活をしたらリードを引いてくれているみたいです。
一度、クン活し過ぎて何かが鼻に入ってクシャミが何日か止まらなくなってお医者さんに相談しに行ったこともあります!
ご主人的には1カ所で5秒くらいクン活をしたらリードを引こうと考えているみたいです。
危険な場所を避ける
例えば道路の中央分離帯や車庫の出入口のように車が通るところでのクン活は危険ですよね。それでも横断歩道を渡りながら「あれ?」と急に僕が立ち止まることがあり、そんな時ご主人は「行くよ!」と言ってすぐにリードを引いてくれています。
あとはあんまり深い茂みだと、中に何がいるかわからなかったり、側溝などの深い溝になっているかもしれないので、茂みに入っていかないように気を付けてくれているみたいです。
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クン活が原因?病気にも注意!
お散歩中のクン活は、僕にとっては情報収集なのである程度ご主人も認めてくれています。ただ、クン活が原因で病気にかかってしまったり怪我をしてしまうこともあるので、もしお散歩後に急に体調が悪くなった時に思い出してみてください。
クン活をすると鼻からいろんな匂いと一緒に場合によっては細菌やウイルス、虫さんや異物などを吸い込んでしまう可能性があります。
細菌やウイルス
混合ワクチンで防いでいる特に致死率の高い病気「犬ジステンパーウイルス」は、すでにこの病気に感染しているワンちゃんがマーキングをした場所をクン活することでも感染してしまうおそれがあります。鼻についたオシッコを舐めてしまったり、先に書いたようにクン活に夢中になってくると匂いのする場所を舐めてしまうこともあります。
ご主人的には僕がクン活をする場所を見て、明らかにマーキングの跡があったり汚れていたりするようなら「ダメだよ」と言ってリードを引いて止めてくれているみたいです。
虫
この記事の始めに書いたゴーグルをつけたお友達がこれに該当します。
草の周りを飛んでいる虫さんで、僕たち犬や猫さんの目に着いてくる虫さんもいます。
例えば「東洋眼虫」という犬の目ヤニや結膜炎の原因になる病気があるのですが、これも虫さんが僕たちの涙などに着いて卵を産んでしまうことで起こってしまう病気です。
目ヤニが出ていたり目を掻いてしまうようなら、一度お医者さんに見てもらうと、もしかすると原因が東洋眼虫かもしれません。
結構な茂みに顔を突っ込んでクン活をするといろんな虫さんがいたりするので、ご主人は僕が茂みに顔を突っ込みそうな時は止めてくれています。
異物
クン活をしているとお鼻から匂いをたくさん吸い込むので、その時一緒に砂や埃のような細かい異物も入ってきてしまうようです。
秋口になるとイネ科の雑草の穂から小さな実がたくさん落ちます。以前、それを吸い込んでしまったのか、何日かクシャミが止まらなくなってしまったことがあります。
僕のクシャミが止まらなくなっていたのを心配したご主人がお医者さんに相談したところ、「通常ならクシャミで出ますが、もし出ないようなら麻酔をしてピンセットなどで取り出す必要がある」とのことでした。そうなると結構大事ですよね!
最終的には何日かクシャミをし続けた挙げ句に、お鼻から実が飛び出たのか、急にクシャミがおさまりました。お鼻から実が出た瞬間はすごい大声でキャンキャン鳴いてしまったみたいで、ご主人もびっくりしていました。
まとめ
普段何気なくやっている「クン活」。僕たち犬にとっては昔から生きるために必要なことだったので、今でも夢中になってやっています。
人間さんのSNSと同じように僕たちはクン活でいろんな情報を手に入れて想像を刺激しているため次から次へと匂いを求めちゃいますね。
SNSもクン活も楽しい事なのでついつい熱中しがちですが、ある程度の危険性も兼ねていると考えると程々にとどめておくことが大事ですね!
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