僕たち柴犬の特徴でもあるみっちりと生えそろった「毛」。ご主人さんたちの中でも柴犬さんの毛に顔をうずめて匂いを嗅ぐ「柴吸い」を楽しまれている方も多いと聞いたことがあります。
柴犬の「被毛(ひもう)」と呼ばれている毛は他の犬さんと比べて密度は高いほうで、触って地肌の凹凸を感じることはあんまりないかと思います。特に後頭部から背中、尻尾の根にかけては指でかき分けても肌に到達しないくらい毛が生えているのではないでしょうか。
その柴犬の皮膚を守っている被毛が、突然止めどなく抜け始めるという、知らない方からするとビックリするような事件が「柴犬の換毛期」と呼ばれるものです。
夏の終わりに僕の毛も抜け始め、ご主人も「ついに来たか!」とある意味風物詩を楽しむような感覚で換毛期を迎えました。今回はそんな換毛期について調べたことと、僕の家での換毛期の楽しみ方(?)をまとめてみましたので是非ご覧ください。
換毛期(かんもうき)とは
換毛期を簡単に説明すると「衣替え」のような感じでしょうかね。
換毛というのが「交換」の「換」に「毛」で、「毛が生え変わる」ことを指しているので、「換毛期」というと「毛が生え変わる時期」という意味になります。
僕たち柴犬以外の犬さんにも換毛期はあって、犬さん以外にも猫さんやウサギさん、鹿さん、アザラシさんなどなど、いろんな動物さんが換毛しています。
ただ、温暖な土地で改良された犬さんの種類では換毛期がなかったり、もともと抜け毛が少ないこともあるみたいで、そういった犬さんの場合はむしろ冬に毛が生えなくて「寒そう!」ですね。
実際のところは「毛周期(もうしゅうき)」というものがあるので、被毛自体は常に生え変わっているみたいですが、換毛期はそれとは目的が違ってかなり大掛かりに生え変わる時期に当たるようです。
毛周期は被毛が生えて成長し抜け落ちるまで長い期間かけるのに対して、換毛期は短期間でいっぺんに毛が抜けて生え変わります。
犬の「シングルコート」と「ダブルコート」について
犬さんの被毛の種類として大きく分けると、主毛や一次毛、上毛と呼ばれる「オーバーコート」と、副毛や二次毛、下毛と呼ばれ「アンダーコート」の2種類があり、このうちオーバーコートのみが生えている犬さんを「シングルコート」、両方生えている犬さんを「ダブルコート」とよんでいます。
人間さんの毛は通常、1つの毛穴から1、2本の毛が生えるみたいですが、犬さんの場合は10本前後も毛が生えていて、オーバーコートの毛もアンダーコートの毛も同じ1つの毛穴から生えています。
オーバーコートは外からの刺激から皮膚を守るためにしっかりとした毛質になっているのに対して、アンダーコートは保温や防水の役目を果たすため短くて細かく密集しています。
オーバーコートとアンダーコートの違いからも分かるように、オーバーコートだけ生えているシングルコートの犬さんは、もともと紫外線が強く体の保温などは必要がない地域の出身が多く、逆にダブルコートの犬さんは寒い地域の出身が多いようです。
柴犬や秋田犬さんなどの日本犬は世界的にみると寒い地域に住んでいるためダブルコートなんですね!
なぜ換毛期があるの?
換毛期の目的は「気候に合わせるため」です。
人間さんも暑くなったら袖が短くて薄手の服を着て、寒くなったら袖が長くて厚手の服を着るなど、季節によって服装を変えますよね?
僕たち柴犬や他の動物さんも季節によって、特に夏や冬といった生きていく際の「心地よい気候」から外れるくらいの気温になる季節には、ある程度の対応をしています。
先ほど書いた毛周期にプラスして日照時間と気温が影響して換毛期が起こっていると考えられているみたいです。
参考:「光の家畜,家禽に及ほす影響(PDF)」
森林でも秋になると紅葉をしたり葉が落ちたりするので、自然界全般的に言えることなのかもしれませんね。
換毛期はいつ?
柴犬の換毛期は一般的には年に2回あると言われています。「夏の前後」と覚えておけばわかりやすいかもしれません。
換毛期の回数に関しては住んでいる環境や犬さんの個体差もかなり影響があるみたいです。ちなみに僕は年に3回換毛期があるような気がしています。
今年(2023年)でいうと、4月の末ごろと8月の末に換毛期がありました。ただ昨年末の12月ごろにも換毛期があったような気がするので、もしかすると今年も年末になったら換毛期が始まるかもしれませんね…!
パピーコートについて
柴犬は大人になるまでは被毛が薄い「パピーコート」と呼ばれる状態でその間は換毛期がありません。生後半年~10カ月弱までの期間に夏が来ても毛は生え変わりません。
僕の場合も4月に生まれて、その年は年末まで特に換毛期は経験しませんでした。その分、翌年の春の抜け毛の量にご主人がびっくりしていたのを覚えています!
換毛期はどれくらいの期間続くの?
一度換毛期に入ると、僕の場合は2カ月弱は抜け続けます…!一般的には1カ月ほどと言われているみたいですが、これも環境や犬種、個体差があるので、むしろ「これからしばらくは抜け続けるな」と思っていただければいいかなと思います。
換毛期の対策は?
換毛期は僕たち柴犬の自然な反応なので、根本的に解決する=換毛期をなくすことはできないと思ってください…!
先にも書いたように、日照時間や気温、また湿度など季節によって変わるものを犬さんが察知して換毛を始めるので、「光を通年同じ時間与える」「気温や湿度を通年同じ状態に保つ」など、例えていうなら「照明と空調が完備されている環境」であればもしかすると換毛期はなくなるかもしれませんね。
実際に、換毛期の回数や抜ける毛の量などは柴犬さんの過ごしている環境で結構変わっているようです。特に最近は僕も含め室内で過ごしている柴犬さんも増えているので、そうなると空調が効いている環境で過ごすので換毛期がずれてしまうこともあるみたいですね。…僕が12月に換毛したのもストーブが暖かかったからですかね?
なので「換毛期をなくす」対策ではなく、「換毛期の過ごし方」の対策を考えて、僕のご主人のように「換毛期の楽しみ方」まで思いを広げることができればいろいろ気持ちがラクかなと思います。
柴犬の抜け毛対策
僕たち柴犬は換毛期以外ではそこまで目立った抜け毛はありません。換毛期以外でもまとまった抜け毛があるようなら、もしかしたら皮膚が荒れていたり、なにかストレスが原因になっているかもしれないのでお医者さんに見てもらったほうが良いかもしれないです。
抜けてしまった毛は拾ったり掃除機で吸ったり「コロコロ」と呼ばれている粘着ロールのクリーナーで取ったりしています。
抜け毛が増えてくると犬さんが後ろ足で身体を掻いたときにまとまって落ちることもあるので、こまめにブラッシングをして床に落ちる前に抜け毛を取ってくれるとその後の掃除がラクになるみたいです。
ブラッシング以外の手段としては体を洗ってあげるとその時に抜けた毛が落ちますが、換毛期が終わるまでは毛が抜け続けるので、さすがに何度も体を洗うことは大変ですし、何度も体を洗うと皮膚や毛に必要な油分がなくなって別のトラブルの原因となるので、気を付けてくださいね。
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換毛期のブラッシングで使っている道具
ここで僕が換毛期の時にブラッシングでご主人が使っている道具をご紹介します!
スリッカーブラシ
まず一番に紹介したいのがスリッカーブラシです。「スリッカーブラシがなければ換毛期は乗り切ることができない!」と思えるくらいのアイテムらしいです…!(ご主人談)
スリッカーブラシは通常のブラシとは違って、「く」の字型に曲がった細かい針金のピンがたくさんあるブラシです。
このピンで抜け毛をごっそり取ってくれます!
ピンが針金なので力を入れてブラッシングをすると皮膚を傷つけてしまうため、ブラッシングをする際には皮膚に当たらないように注意をして優しくなぞるように使ってくださいね。
コーム(櫛)
続いてご紹介したいのがコームです。
僕のご主人の場合はコームでブラッシングをするというよりも、スリッカーブラシに着いた抜け毛を取るためにコームが必要になるみたいです。
僕のコームは金属でできていて、中央でピンの間隔が違うものです。
実際には広いほうを結構使っています。
コームを使ってスリッカーブラシに着いた抜け毛をとる方法はこの後のブラッシングの方法でお見せしますね!
ブラシ
換毛期以外の毛のお手入れ時には通常のブラシをメインで使っています。ブラッシングで毛周期での抜け毛を落としたり、普段の生活で身体に着いたゴミや虫を落とす目的で使ってもらっています。
僕のブラシは裏側が起毛になっていて、オーバーコートの毛のツヤを出したりするためにあるみたいです(僕はあんまり使っていません…)。
ファーミネーター
抜け毛をとる道具としてファーミネーターも持っています。ただ抜け毛をとるというよりも、毛を切る要素が強いためあまり使ってはいません。
ファーミネーターの先には歯がついていて、パッと見た感じではバリカンのようになっています。
細かい歯で毛を掴んで切る形になり、アンダーコートだけでなくオーバーコートもとれてしまうので、ファーミネーターをやり過ぎると紫外線などの刺激から皮膚を守る力が弱くなるので、僕は使用を控えています…!
コング
直接はブラッシングと関係ありませんが、最近使い始めて「これは良い!」とご主人が感動していたのがこのコングです。
コングはもともと遊びながらおやつを食べるための道具で、ペット用品店ではおもちゃコーナーに置いてあります。
この後のブラシ方法でご紹介しますが、コングにおやつを入れて、それに僕が夢中になっている隙にご主人がブラッシングをしてくれています。
ブラッシングが苦手で嫌がる犬さんにはおすすめみたいです!
柴犬の換毛期のブラシ方法
それでは換毛期の間に僕がやってもらっているブラシ方法をお見せしますね!まずは順番を書いておきます。
- おやつを用意する
- 首輪など身に着けているものを外す
- おやつで気を引く
- スリッカーブラシでブラシをかける
- コームでスリッカーブラシに着いた毛をとる
- 3~5を繰り返す
1.おやつを用意する
まずはおやつを用意します。僕はおやつがないとブラッシングを嫌がって逃げてしまうのでご主人は何よりも先におやつを用意して僕の気を引きます。
ジャーキーを細かくしてコングに詰めてもらって準備完了です。
2.首輪など身に着けているものを外す
身体全体をブラッシングするので、首輪などすべて外しておきます。
僕の場合は首輪をとる前におやつを用意することで、嫌がることなくじっと我慢できます。
3.おやつで気を引く
コングに入れたおやつを僕の顔の近くまで持ってきてもらい、僕の気を引いてもらいます。
コングの中に入っているおやつを僕が舌を伸ばして取ろうと夢中になった隙を狙います!
その際に片手にコング、逆の手にはスリッカーブラシを持っておいてください。
4.スリッカーブラシでブラシをかける
コングのおやつに僕の気持ちが行っている間にスリッカーブラシでブラシをかけてもらいます。
毛並みに逆らう方向でスリッカーブラシで身体をなぞると、たちまち抜け毛がごっそり取れました!
5.コームでスリッカーブラシに着いた毛をとる
換毛期の間はほんの3~4回スリッカーブラシをかけるだけで毛がたくさん取れて、スリッカーブラシには抜け毛がたくさん着いてしまいます。
毛がたくさんついた状態ではいくらスリッカーブラシを使っても意味がなくなってしまうので、ある程度毛が着いたらコームで毛を取ります。
コームをスリッカーブラシの端から差し込み、スリッカーブラシのピンの根元から少しゆすりながら絡みついた抜け毛をとっていきます。
スリッカーブラシから取れた抜け毛はそのまま捨ててもOKです!
6.3~5を繰り返す
おやつで気を引きながらブラシを体中かけていきます。
偏らないように左右、背中、首元などなどバランスを考えてブラシしてみてくださいね。
大体、一回(1日)のブラシでこれくらい取れました。入念にやればもっと取れそうではありますが、おやつを食べさせ過ぎないようにと、皮膚への負担を考えてある程度のところで今日は終了です。
ちなみに、1カ月間ブラシをした結果取れた毛の量はこんな感じです…!
まとめ
柴犬の換毛期に関していろいろまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
何とか抜け毛をとめたいとか、抜けた毛の掃除が大変だとかいろいろあるかと思いますが、夏になると生い茂っている草木が秋にきれいな紅葉を見せてくれるのと一緒で、柴犬の抜け毛は風物詩だと思って、ブラッシングを楽しんでもらえると嬉しいです!
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